
今大会では過去最多の129作品の応募作の中から14作品が入選し、それらの作品の劇場公開と観客投票によるコンペティションが同時に開催されました。
今年度は「観客賞(グランプリ)」だけでなく、関西圏の大学の作品の中で最も高い観客投票を得たものに贈られる「関西シネック賞(準グランプリ)」と、歴代大会の受賞者・入選者の審査によるコンペティションである「10周年記念審査員特別賞」の2部門が新設されています。
「観客賞」は、本映画祭史上初の2作品の同時受賞となりました!
映画祭当日の詳細は以下のオフィシャルレポートをご覧ください。↓
https://note.com/kansai_film_fes/n/nc7ecd03e80a0
観客賞
観客賞

関西シネック賞

10周年記念審査員特別賞

審査員講評
◆シェーク・M・ハリス
「有名になりたい」という、おそらく10代、20代の世代なら誰もが持ちうる羨望と嫉妬をテーマに、あくまでユーモアのあるエンターテイメントとして、観た人が前に一歩踏み出せるような余韻を残して描いてみせたこの作品を評価したいと思い、選ばせていただきました。主人公を取り巻く魅力的な登場人物たち、特に演劇を辞めて結婚した主人公の先輩は素晴らしいキャラクターだなと思いました。良い映画は大体脇役も魅力的です。また、最後に明確な解答を示さずボンヤリと終わってしまう作品が多かった中、しっかりと主人公が最後に選択した答えとその先まで描いてみせた点も好印象でした。今後のご活躍も期待しています。
◆阿部洋太郎
素晴らしかったです!!映画の良さとは何なのかを思い出させてくれた作品でした。エネルギーに満ちていて、登場人物が輝いている。監督の「やりたいこと」が明確であり強烈に表現されている。シンプルでまっすぐなこの作品にくらってしまいました!自分は大学卒業後、ポスプロにカラリスト・アシスタントで入ったのですが、仕事では伸び悩み、毎日お給料だけをもらいに行くような生活が続いてました。そんななか「最悪は友達さ」は自分が何に憧れて映像の世界に入ったのか、なんで頑張ってきたのかを思い出させてくれました。ワクワクするから。好きだから。台詞の一つ一つが心に刺さりました。もっとあなたの作品を見たい。毎年「ニューシネマパラダイス」で年越しをするのですが、今年は「最悪は友達さ」も見たいともいました。自分も頑張るので、いつの日か、あなたの映画をカラコレさせてください。
◆正井啓介
キャラクターの苦悩に寄り添いやすい構成・演出で、非常に共感し、好感が持てた。「夢を追いかけ続ける主人公」が「自分で映画を撮る」という、一見わかりやすいフォーマットに落とし込んでいるだけに思えるが、1シーン1シーン、またキャラクターたちに、作者の丁寧に込められた愛情を感じ、まっすぐに観客の心に届いた。「映画作りってこうあるべきだよなあ」という思いを大人の私たちにも認識させられるし、学生たちが素直にそのテーマに向き合っている点でも、受賞に値する、受賞に最適だと感じた。一人二役の演出など、少し「非日常」なシーンもあれば、久々に再開した先輩との距離感など、繊細な「日常」のシーンもあり、制作者の工夫の幅を楽しめた。小さな役での監督出演もナイスキャスティング。